- 草むしりや掃除は高齢で続けるのはしんどい
- とにかくお金がかかる
- 子供に大変な仕事を継がせるのがいやだ
草むしりや掃除は猛暑の中での肉体労働、せっかくの休みを使います。他の親族と時間を合わせるのにも一苦労です。業者に頼むとぼったくりや雑な処理をされないかに目を配り、経済的な負担もある。それを未来永劫誰かがやらないといけません。
本記事では墓じまいができないケースの解説と、実際に墓じまいする全体像と選択肢について解説します。本記事を読めば、墓じまいをするか決断することができます。親戚にもしっかりした説明ができる資料も準備しました。まずは親族と十分に話し合うことが大事です。そのあとに費用の見積もりやお寺探しをしましょう。
墓じまいをするなら今

現代では墓じまいを考えることは必要です。墓じまいは「供養しない」という意味ではありません。今あるお墓を撤去して、場所と供養方法を変更することです。管理をお寺に任せる永代供養が増えています。実際にお墓や位牌のある仏壇周りの手入れ・管理は手間暇がかかります。近年は少子化や住民の過疎化によって管理者や跡継ぎがいなくなる問題が注目されています。
全国で墓じまいが急増中。歴史上の人物のお墓も

2026/8/15歴史上の人物である徳川慶喜のお墓が墓じまいするという報道が取り上げられました。
»yahoo!ニュース(外部サイト)
全国の墓じまいは、日本経済新聞の報道と厚生労働省の「衛生行政報告書」によると2023年度の改葬件数は16万1886件で過去最高となっています。直近10年で2倍の増加です。政府統計の総合窓口 e-Stat で厚生労働省の資料を確認できます。»e-Stat「令和5年度衛生行政報告例・第6表」
近年では経済的な理由から一般的なお墓を買わなくなっています。AI故人追悼やメタバース霊園といったデジタルを活用した方法も出てきたためです。故人の弔い方が多様化している社会背景から「墓じまい」を選ぶ人が増えています。»日本経済新聞(外部サイト)
墓じまいを検討する理由1位は「遠くて通えない」

墓じまいの理由・費用・供養方法のアンケートによれば
- 墓が遠方である:47.8%
- 墓参りが難しくなった:37.8%
- 管理費が負担:31.07%
- 子供に迷惑をかけたくない:22.2%
少子化により跡継ぎが1人か2人しかいない家庭が多いです。両親と祖父母などの墓の管理も全部子供に任せる必要がり、管理が困難だと予測されています。自分が末代だと分かった人も墓じまいを検討し始めている状況です。»墓じまいパートナーズの2026年「墓じまい実態調査2026」(外部サイト)
墓じまいで位牌・墓石・遺骨を仕舞うとは

墓じまいとは、今あるお墓を撤去することです。場所を移すことを改葬といい、管理者は代わりません。管理者を寺や霊園に任せてお墓の管理をしなくて済む状態を永代供養といいます。お墓周りで管理しているものを確認しましょう。
管理しているものは主に3つ
- 位牌→位牌は魂の依り代
- お墓→墓は遺骨を納める場所
- 遺骨→遺骨は骨壺にいれて保管されています
お墓の管理とは、上記3つの管理をどう扱っていくか決めることです。
位牌は魂抜きをする

位牌をそのまま処分してはいけません。亡くなった方の戒名、没年月日、俗名、享年が記された木札で、故人の霊魂が宿る依代として仏壇に祀る大切な仏具です。開眼供養(魂入れ)をしたものです。お寺で閉眼供養(魂抜き)とお炊き上げをしてもらいます。これで位牌はただの木の札になり、処分できます。
お墓と遺骨もお寺と相談して丁寧に

お寺に事前に相談して、お墓の閉眼供養をしてもらいます。その後、墓石の撤去作業ができます。
- 墓に納められている遺骨を取り出す
- 墓石を撤去して更地に戻す
- お墓を建てていた土地を管理者へ返却
改葬とは墓に納められている遺骨を別の場所へ移すことです。墓石を撤去して墓地を更地に戻し、遺骨を別の場所へ移す行為を含めて「改葬」といいます。永代供養とは違い、移設したあとも管理者は変わりません。
永代供養とは管理者をお寺に依頼すること

お墓の管理を家族や親族に代わって、お寺や霊園の管理者が「永代的に」遺骨の管理や供養を行うことをいいます。
- 墓じまいをした後、管理者を変えずに管理することを「改葬」
- 墓じまいをした後、お寺や霊園に管理者を変更することを「永代供養」
永代供養はお寺や霊園で単独の納骨区画を借り、一定年数はそこに遺骨を納めます。一定年数が経過したのち「合祀」という共同納骨の形式となるのが一般的です。単独の納骨スペースに納められている間は、家族や親族が個別形式でお参りできます。今注目されているのがこの永代供養です。
墓じまいをしたあとの、骨壺の保管場所を自宅にした場合は改葬です。「手元供養(てもとくよう)」といいます。手元供養の場合、役所への許可が地域ごとに違います。あとからお寺へ預けようとした際には、墓じまいをした証明書などが必要な場合があります。
永代供養の種類は増え続けている

永代供養の方法にも種類があります。
- 個別墓:一定期間、個別の墓石に安置する方法
- 合祀墓:他の方と一緒に埋葬
- 納骨堂:ロッカー式などで個別に管理する方法
- 樹木荘:墓石の代わりに樹木の下に埋葬する方法(合祀型、個別型)
- 海洋散骨:粉末状にした遺骨を海に撒く方法
- 宇宙葬:遺骨をロケットで宇宙へ打ち上げるロマン溢れる方法
今ではAI故人追悼サービスやメタバース霊園など、デジタルで供養する方法も出てきています。
墓じまいの相場は60万円~300万円

お墓の管理をお寺や霊園に依頼した時の、全行程でかかる費用を解説します。
- 閉眼供養(魂抜き)お坊さんを呼んでお経を読んでもらうためのお布施のようなもの:3~5万円
- 墓石の撤去費用(1㎡あたり約10万円~):約30万円~60万円
- 改葬許可などの手続き費用(個人で手続き):1000円~3000円
- 改葬許可などの手続き費用(専門家に依頼):3万円~5万円
- お骨の出骨、式典準備、分骨、移送:20万円~100万円
- 永代供養で合祀などお寺に申し込んだ場合:10万円~100万円
以上が手順ごとにかかる費用の相場です。合計で60万~300万ほどです。基本的に一括で支払うのみで毎年の管理費などはありません。ただし、個別で管理を依頼した場合など特別なやり方を選択した場合は、年間の費用が発生することもあります。
墓じまいできないケースが発生している

墓じまいの申請が増えたことにより、納骨堂の空きが無い状況です。中には抽選や金額が高騰しているお寺も出てきています。墓じまいできない理由は3つあります。
- 収容数の問題
- 法律の問題
- 少子高齢化による利用者の増加
遺骨は法律で定められた場所にしか埋葬できません。好き勝手に保管できないため、受け入れられる数が建物の大きさによって決まります。
納骨堂を増やせないのか?

納骨堂を増やせないのが現状です。今後も墓じまいは増えると予想されていますが、2つの問題があります。
- 土地とその取得、管理費用
- 周囲の住人からの理解
土地は平地が最適ですが、平地が少ない地域では最適な土地がありません。平地にするために山を削るなど開発する分の費用がかかります。永代供養の申し込みがある寺では、年間100件の申込があり、すでに納骨堂が満杯に近いうえに年々問い合わせが増えています。しかし、まったく準備が間に合っていない状態です。
無縁墓によって納骨堂が増やせない

墓じまいの問題と同じく社会問題になっている無縁墓の問題があります。
- 少子高齢化で管理者が不在または困難な状態
- 管理は経済的にも肉体的にも大変
墓じまいが増えている理由と同じ理由から、無縁墓が放置されたままになっています。他人の墓を勝手に撤去すると法律違反となります。しかし、撤去するための許可や手続きが複雑です。墓地としての土地はあるが、管理者がいないとその土地を再利用もできません。納骨堂などの施設を準備する環境が揃わず悪循環となります。
墓じまいされる先祖の気持ちを考える

- 目に見えない先祖の方々は怒っていないのか?
- 先祖代々の伝統を汚すとバチが当たるのでは?
- 伝統を守らないといけない
墓じまいの話題を親族とするときに、議論になるのは「先祖の気持ち」です。こればかりは目に見えないため判断が難しく、宗教・信仰の事情もあります。参考までに筆者の価値観と合っている3つのYouTubeチャンネルの内容から要約してまとめました。
彩咲ちゃんねる【満作乃宿リシ縁】
- 樹木葬は樹木に魂がからめとられ、成仏できず複数の魂が混ざりあって団子状になって苦しんでいるのであまりおすすめしない。
- 精霊術を使って結界を張った環境ならそのリスクはなくなる。
- 海洋散骨は、亡くなった方が海でさまよってしまう可能性もある。
- 墓もしくはお骨は、亡くなった人が現世に戻ってくるときの目印。
- ほとんどの方は成仏して転生している。
- もしくは飽きて戻ってこない。孫とか見たいとか、頑固にお墓文化を信仰している場合はずっと戻ってくるかも。
沖縄霊能者ユタ片山鶴子たづこチャンネル
- 先祖は墓じまいについて怒らない。
- 墓じまいを考えるのは悪いことではない。
- 中途半端に放置しないという気持ちが大事です。
- 生きてる人ががんばって幸せであることを望んでいる。
- 自分たちの子孫、がんばって生きていきなさい
- 無理しなくていいんだ
- 形に縛られなくていいんだ
- 墓じまいするときも、愛で見守ってくれているご先祖様に感謝です。
- 1人で背負わないで、家族のみんなと話し合う
- 自分を責めないでください。
- 私たちの人生はご先祖様を守るための人生ではないんです。本当に大切なことはこの人生をまっとうすることです。
前世が特攻隊の時の記憶をもつジョー君の話
彼は前世の自分のお墓参りをした際に「お墓を建ててくれたことには感謝しているが、私はお墓には入っていません」と言っていました。
少し前に流行した曲「千の風になって」の歌詞の中に「そこに私は居ません。眠ってなんかいません。」という歌詞があります。まさにその歌詞の通りなのかもしれないと感じました。
墓じまいをする話し合いは丁寧に

お墓の管理の話し合いは丁寧に時間をかけてしましょう。揉めやすい話題のため注意が必要です。
- 絶対に独断即決はしない
- 必ず親族全員と話し合い、決めること
- 自分を責めない
- 費用の相場を把握する
- 1人で抱え込まない。心理的にもお金的にも。
宗教や信仰の事情もあります。十分に話し合いをすることが大事です。経済的な問題があるので、無理せず負担の厳しさを家族に伝えてください。それでも宗教や思想の対立がある場合は、経済的負担を減らすことに集中して解決することをお勧めします。冷たい言い方かもしれませんが、管理したい人に責任を持ってもらうことも解決策のひとつです。
お墓の歴史は意外と浅い

日本には昔から古墳の文化があります。埋葬の方法は時代とともに土葬、そして火葬と変化しました。どれも高貴な身分の方のみの風習です。
江戸時代から庶民も墓を持つ風習ができました。当時は一族に1つのお墓でした。現在の墓石を建てるスタイルは高度経済成長期以降に、相続税対策で仏壇やお墓の購入が増えたからという社会背景があります。そもそもお墓があること自体が少数でした。
まとめ

墓じまいは近年増えています。歴史上の偉人の墓も、管理が難しくなっている報道が目立ってきました。親族との話し合いは必須です。後から話を聞いていないと言ったり、宗教や信仰で問題が発生し縁が切れることもあります。お金や手続き以外にも親族との意思疎通が重要です。話し合いには特に時間をかけましょう。

コメント