アメリカドルの各国からの評価と新NISAの影響

2024/5現在。アメリカドルは日本円で160円台に届きそうなまでに円安の影響が進んでいます。

この円安の流れは数年前からあらゆる面で明るみに出始めていました。

2019年のコロナ。2022年のウクライナ戦争。2023年のガザ地区。

この数年でドルの信用、依存への危機感を世界中が感じ対策を練ってきていますが、日本はいまだに自立できずにいます。その原因は「知らないこと」いや、「知らされていないこと」かもしれません。

  • 新NISA始めたが、やめた方がいい?
  • アメリカ株が今後も安心って本当?
  • 円安が今後も続くのか心配

いろいろ心配になるのですが、土台となる知識があればベストな判断をできるようになるはずです

いくつか知っていてほしいものをまとめましたので、ぜひ読んでみてください。

米ドルの現在の強み

アメリカドル
  1. 経済パフォーマンス:2023年の米国経済は多くの主要経済国を上回る成長を遂げ、2024年も引き続き強い需要が見込まれています。この経済成長は投資家が安定した利益を求める中で米ドルの需要を支えています。
  2. 金利:米連邦準備制度(FRB)の政策、特に他国よりも高い金利は、米ドル建て資産を魅力的にし、通貨の価値をさらに強化しています。インフレが続く限りは高金利は維持されます。
  3. 世界貿易と金融:米ドルはその安定性と米金融機関の広範なネットワークにより、世界貿易、金融、投資フローに深く根付いています。ドル決済の仕組みは「SWIFT」(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)と呼ばれる国際的な金融通信網を利用しています。SWIFTは銀行間での安全かつ効率的な国際送金を実現するためのメッセージングネットワークです。

課題と変化

  1. 脱ドル化の動き:一部の国々はドル依存を減らすための活動を積極的に進めています。例えば、ロシアと中国は、国際貿易における自国通貨の利用を促進しています。これにはBRICS通貨の創設や、中国のデジタル人民元の国際取引での利用増加が含まれます。ユーロもその一つです。
  2. 制裁と地政学的要因:ドルを制裁の道具として使用することにより、一部の国は代替手段を模索するようになっています。イランやロシアのような国がSWIFTシステムから排除されたことは、ドルに過度に依存するリスクを強調しています。2023年のウクライナ戦争での経済制裁は、各国にドル依存の危機感を植え付けるに十分なイベントとなりました。
  3. 代替通貨:ユーロや中国元などの他の通貨の台頭も注目されています。国際通貨基金(IMF)は、世界の外貨準備におけるドルのシェアが徐々に減少しているデータがあり、中央銀行が準備通貨を多様化する傾向が見られます。

将来の見通し

米ドルは強力な経済基盤と金利政策により、短期的にその支配的地位を維持すると予測されていますが、国際金融の風景は変化しています。

多国籍通貨や決済システムを確立する努力は、より多極的な通貨世界への徐々かつ持続的な移行を示しています。この変化は地政学的な動態や、各国が金融主権を追求する動きによって推進されています。

要するに、米ドルは依然として強く広く使用されていますが、その無敵の支配力は、他の通貨が勢力を増す中で徐々に疑問視されるようになっています。

2024年の円安に対する原因と日本の対策で考えられるものをまとめて

アメリカの現状を理解したうえで

日本、あるいは日本人はどうしたらいいでしょうか?

円安の原因

  1. 金融政策の違い:
    日本銀行(BOJ)は依然として緩和的な金融政策を維持しています。一方、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は、インフレ抑制のために利上げを進めています。この金利差が投資家にとって円を借りて高金利通貨に投資する「キャリートレード」を促し、円売り圧力を高めています。
  2. 輸入物価の上昇:
    円安の影響で輸入価格が上昇し、特にエネルギーや食品のコストが増加しています。これは日本国内のインフレを押し上げ、消費者の購買力を低下させています。
  3. 輸出企業への利益:
    円安は日本の輸出企業にとって有利です。円の価値が下がると、輸出品の競争力が増し、企業の利益が増加します。例えば、日産は円安と海外での販売増により大幅な利益増を報告しています。注意が必要なのは、日本はずいぶん前から「産業の空洞化」と言われる工場を海外に作り現地の人を雇う構造となります。円安の恩恵を満足に受けられないというデメリットもあります。

日本の対策

  1. 金融政策の見直し:
    日本銀行は、金融緩和政策の継続が円安を招いているとの批判を受け、将来的には金利引き上げの可能性を検討しています。安倍政権の時のアベノミクス「三本の矢」の内の一本の政策から続いているものです。
  2. 政府の介入:
    政府は円安の進行を食い止めるために市場介入を行っています。具体的には、円の急激な下落を防ぐために為替市場での為替介入が実施されています。ドルを売って円を買うことになります。しかし、これは国が為替の価格を操作することになるため、アメリカ側からは嫌がられます。そのため頻繁に行うことはできません。
  3. 消費者への補助:
    政府はガソリン価格の補助金など、生活必需品の価格上昇を緩和するための対策を講じています。また、物価上昇に対応するための消費税の減免や低所得者向けの支援策も検討されています。ただし、補助をしたあとは必ずといっていいほど増税が行われているため、意味をなしていない状況と言えます。

影響

円安は輸出企業にとっては有利である一方、消費者や輸入企業にとってはコスト増加の要因となっています。また、円安により外国人労働者の受け入れが困難になり、人手不足が深刻化する恐れもあります。

今後も日銀と政府がどのような対策を講じるかが注目されます。円安が続く場合、さらなる政策の見直しが必要になるでしょう。注意が必要なのは、円安と円高は交互にやってきます。そしてそれぞれにメリットデメリットがあります。

日本の新NISAによるアメリカ株購入の流れが強まると円安への影響は?

新NISAの仕組みとアメリカ株購入

新NISA(2024年開始)は、日本の個人投資家に対して投資環境の改善と税制優遇を提供します。新NISAは「積立枠」と「成長投資枠」があり、投資で出た利益が非課税で資産運用を行えます。この制度を利用して、個人投資家がアメリカ株を購入する流れが強まると考えられます。

アメリカ株というと「S&P500」「オールカントリー」などの投資信託が人気です。個別株でもGAFAmなどやはりアメリカ株が人気となります。

アメリカ株購入の流れが強まる要因

  1. 米国株の高パフォーマンス: 米国市場は多くの成長企業が集まっており、高い投資リターンが期待できます。特にテクノロジーセクターなど、成長性の高い企業への投資が魅力的です。
  2. 分散投資: 日本国内の市場に依存せず、グローバルに分散投資することでリスクを低減できます。新NISAの税制優遇は、このような分散投資を促進します。
  3. Youtube:動画により前年代に手軽に情報がいきわたり、小額からできる投資の話が広まりました。

円安への影響

  1. 円売り圧力の増加: 日本の投資家が新NISAを利用してアメリカ株を購入する際、円を売ってドルを買う必要があります。この動きは円売り圧力を増大させ、円安をさらに進行させる可能性があります。
  2. 対外投資の拡大: 個人投資家の対外投資が増えることで、国内からの資金流出が進みます。これも円安を促進する要因となります。

経済への影響

  1. 輸出企業への恩恵: 円安は輸出企業にとって有利であり、日本の製品の価格競争力を高めます。これにより輸出が増加し、企業の収益が改善する可能性があります。ただし、産業の空洞化が進んだ日本にはそもそも輸出の利益はそこまで恩恵を受けられていないのが現状と言えます。
  2. 輸入コストの上昇: 一方で、輸入品の価格が上昇し、特にエネルギーや食品のコストが増加します。これにより国内のインフレ圧力が高まる懸念があります。

政府の対策と今後の展望

日本政府と日銀は、円安が過度に進行することを防ぐための介入を検討しています。具体的には、為替市場での介入や金融政策の見直しが挙げられます。また、新NISAの利用促進により、国内投資の活性化を図ることで、バランスの取れた経済成長を目指しています。

まとめ

新NISAの導入により、アメリカ株への投資が促進されることで、円安が進行する可能性があります。しかし、これには輸出の増加やインフレの懸念といった両面の影響が伴います。政府と日銀はこれに対処するための適切な政策を講じる必要があります。

今回はここまでにします

新NISAについては、一部の経済アナリストが注意喚起を呼び掛けています。ただ、実際は世論が投資をするような流れを持ってしまっています。

日本人の特徴で「みんなが言ってるから」で団体で突き進んでしまいますが、そんな国民性だからこそ少数の冷静な意見に耳を傾けたいところです。

他にも未来予知の意見なども取り入れ、さまざまな影響を視野にいれて投資、あるいはビジネスのヒントとして頂ければと思います。

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