
お墓は草むしりや掃除で時間もお金も労力もかかる。これを高齢になっても続けるのはしんどい。親族は手伝ってくれない。お金がかかる。子供に大変な仕事を継がせるのがいやだ。墓じまいするぞ!
少子高齢化で人口が減少している日本。今大きく変化しているのが「お墓」事情です。
- 草むしりは猛暑の中ではきつい肉体労働
- せっかくの休みを使う上に他の親族と時間を合わせるのにも一苦労。
- 業者に頼むとぼったくりや雑な処理をされないかに目を配り、経済的な負担もある。
- 未来永劫誰かがやらないといけない。
定期的な雑草の処理や墓の掃除、年一回の掃除では間に合わない草木の浸食は管理者の大きな悩みのひとつ。他にも頭を悩ませる問題がたくさんあります。
そのため墓じまいを選択する人が急増しています。
本記事では墓じまいができないケースの解説と、実際に墓じまいする全体像と選択肢について解説します
いざというときに墓じまいができない。話し合いが進まないということがないよう詳細にまとめておきました。
お墓の問題は後から親族間で揉めないようにすることがなにより大事です。しっかりいろんな手段を知って比べてから決めましょう。ただし、結論は早く出さないといけない時代になっています。
全国で墓じまいが急増中

出典:日本経済新聞「お墓もう守れない「デステック」で弔い。より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO89534630S5A620C2TLF000
出典:厚生労働省「衛生行政報告書」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html
日本経済新聞の報道と厚生労働省の「衛生行政報告書」によると、2023年度の改葬件数は16万1886件で過去最高となっています。直近10年では2倍に増加しています。
さらに今の人は一般的なお墓を買わなくなってきています。主に経済的な理由からですが
- AI故人追悼
- メタバース霊園
- ゼロ葬
といったデジタルを活用した方法や、そもそもお墓も遺骨も管理は要らない。という方法も出てきています。故人の弔い方が多様化している社会背景からそもそもお墓を建てない。または墓じまいを選ぶ人が増えてきているようです。

お墓があって当たり前だと思っていたけど違うんだね

時代によって変化するものだからね
墓じまいを検討する理由

墓じまいが増加している理由はいろいろあるのですが、実際のアンケートを墓じまいパートナーズの2026年「墓じまい実態調査2026」で調査されています。
- 墓が遠方である47.8%
- 墓参りが難しくなった37.8%
- 管理費が負担31.07%
- 子供に迷惑をかけたくない22.2%
- 親が亡くなった19.1%
- その他4.8%
少子化により跡継ぎが1人か2人しかいない家庭が多く、両親と祖父母などの管理も全部子供にいく可能性が高く管理が困難だと予測されています。
自分が末代だと分かった人も検討し始めている状況です。
また、これらの理由がひとつだけとは限らず、複数の理由が重なってしまう状況になり墓じまいをするという人の方が多いでしょう。
だんだんと墓じまいの需要が増えてきている現状のようです。人口ピラミッドを見ても高齢者の人数はこれから増える為、今後ますますお墓の管理問題はでてくるでしょう。

管理するのもタダじゃないし時間も取られるもんね。みんな同じく悩んでたんだ。

お墓の問題はデリケートな話題なので、相談相手も限られるから一人で悩みがちだね。
墓じまいできないケースが発生している

墓じまいの申請が増えたことにより、現状の納骨堂の空きが無い状況です。中には抽選や金額が高騰しているお寺も出てきています。
墓じまいできない理由はいくつかあります。
- 遺骨の収容数の問題
- 遺骨管理の法律の問題
- 少子高齢化による利用者の増加
遺骨は法律で定められた場所にしか埋葬できません。好き勝手に保管できないため受け入れられる数がどうしても建物の大きさによって決まってしまいます。
さらに近年の少子高齢化によりお墓の管理者が居なくなり、管理維持が困難になっていることが主な原因となります。

法律が追いついていないのも問題なんだね

行政は手続きが複雑で、しかも責任者も高齢化しているんだ
納骨堂を増やせないのか?

今後も墓じまいは増えると予想されてるなら単純に納骨堂を増やせばいいのでは?

そう考えますが問題は山積みです。
- 土地とその費用が必要
- 土地に関しては周囲の住人からの理解を得ることも必要
土地は平地が良いのですが、平地が少ない地域では最適な土地がない。もしくは山を削るなど開発する必要があるためその分費用がかかります。
永代供養の申し込み件数は、ある寺では年間100件の申込があり、すでに納骨堂が満杯に近いうえに年々増えている現状です。ですがまったく準備が間に合っていない状態です。
増やさなきゃいけないがお金がかかるのと土地がないため、今ですら満杯なのに今後受け入れてくれないケースも増えてくると思います。

管理者が誰か分からないお墓は撤去してそこに新しいお墓や納骨堂作れるんじゃない?

無縁墓だね。その問題も法律が絡んでくるんだ
無縁墓の問題

墓じまいの問題と同じ原因で社会問題となりつつあるのが無縁墓です。
- 少子高齢化で管理者が不在または困難な状態
- 管理は経済的にも肉体的にも大変
など墓じまいが増えている理由と同じ理由から無縁墓が放置されたままになっています。
つまり管理が困難になった場合の行動は2つ
- 墓じまいして永代供養に切り替えよう
- もうそのまま忘れよう。もしくは管理者が途絶える
上記のパターンの2が無縁墓となり、管理者不明で草木に埋もれていくお墓となります。
誰もお参りにも来ないので近所の人にも知られていない状況で、行政への届け出も無い状態です。

お!好都合じゃないですか!そのお墓を撤去してみんなの為に納骨堂建てましょうよ!

それがうまくいかないんだなぁ。
無縁墓だからといって第三者が勝手にお墓を撤去すると法律違反となります。それでも撤去したい場合は法律に則って撤去するのですが、手続きが複雑で難しい。
ご近所や行政でも把握してない無縁墓を撤去するには、官報への掲載や一年間の待機期間など、非常に複雑な手順が必要です。
墓地としての土地はあるが、管理者がいないとその土地を再利用もできません。納骨堂などの施設を準備する環境が揃わず悪循環となります。
管理できている今のうちに、墓じまいを済ませてしまうのが賢いと言えるでしょう。
準備が間に合わないと不幸にも管理されないお墓「無縁墓」となってしまいます。地域の今後のためにも対策は余裕をもって進めましょう。
「墓じまいをする」とはどういうことか

墓じまいはお墓を無くすこと?

実は文脈によってその意味が変わってくるんだ
そもそも世間でいう「墓じまい」とは「管理者を寺や霊園に任せてお墓の管理をしなくて済む状態」をいいますが、実は厳密には墓じまいという言葉の意味は、捉え方と文脈によって意味合いが変わってきます。その説明をする前情報としてお墓周りの管理しているものを確認してみましょう。
管理しているものは主に3つ
- 位牌→位牌は魂の依り代。
- お墓→墓は遺骨を納める場所。
- 遺骨→遺骨は骨壺にいれて保管されています。
お墓の管理とはこの3つの管理をどう扱っていくか決めるということです。
それぞれ仕舞い方の手順がありますので解説します。
位牌
亡くなった方の戒名、没年月日、俗名、享年が記された木札で、故人の霊魂が宿る依代として仏壇に祀る大切な仏具です。開眼供養(魂入れ)をしたものですので、そのまま捨ててはいけません。魂が入っていると考えてください。
ちゃんとお寺で閉眼供養(魂抜き)をしてもらい、お炊き上げしてもらいます。
これで位牌はただの木の札になり、お炊き上げしてもらえば管理は必要なくなります。
お墓
ここでやっと「墓じまい」という言葉がでてきます。文字通り「お墓を仕舞うこと」
今あるお墓を片づけることです。具体的には、墓に納められている遺骨を取り出し、墓石を撤去して更地に戻して、お墓を建てていた土地をお墓の管理者へ返します
墓じまいとは改葬の手順の1つの工程のことだったのです。
改葬とは、墓に納められている遺骨を別の場所へ移すことをいいます。
- 墓石を撤去して墓地を更地に戻すことを「墓じまい」といいます。
- そのあと遺骨を別の場所へ移す行為を含めて「改葬」といいます。
ややこしいですね。永代供養とは違い、移設したあとも管理者は変わりません。
遺骨
お墓から取り出した遺骨。その保管方法にはいくつか方法があります。
これがいままで提案されてきたブログテーマでもある「多様化したお墓の在り方」となります。大きく分けると3つの方法です。
- 墓石供養→親族で管理する(いままでと同じ)
- 永代供養→親族が管理しないで済む
- 手元供養→自宅で管理する
このブログでは「墓じまい」つまり永代供養をテーマにするので、そこを主軸に解説をすすめます。

遺骨の管理をどうするか?これがメインのテーマだったんだね

「何を管理していたか?」つまり遺骨の管理だったんだ。
永代供養とは

永代供養とはお墓の管理を家族や親族に代わってお寺や霊園の管理者が「永代的に」遺骨の管理や供養を行うことをいいます。
つまり
- 墓じまいをした後、管理者を変えずに管理することを「改葬」
- 墓じまいをした後、お寺や霊園に管理者を変更することを「永代供養」
となります。
永代供養はお寺や霊園で単独の納骨区画を借り、一定年数はそこに遺骨を納めます。一定年数が経過したのち「合祀」という共同納骨の形式となるのが一般的です。
単独の納骨スペースに納められている間は、家族や親族が個別形式でお参りできます。今注目されているのがこの永代供養となります。
改葬の場合、管理者は自分のままです。つまり、墓じまいをした後の骨壺の保管場所を自宅にした場合も改葬です。「手元供養(てもとくよう)」といいます。
違法ではないのですが、役所への許可が地域ごとに違いますので必要な手続きが必要です。また、あとからお寺へ預けようとした際には墓じまいをしたときの証明書などが無いと預かれないなどのトラブルもありますので、注意が必要です。
永代供養の種類
お墓を撤去して更地にして墓じまいを済ませた後、管理者をお寺や霊園に依頼します。その供養の方法にはいくつか種類があります。
- 個別墓:一定期間、個別の墓石に安置する方法
- 合祀墓:他の方と一緒に埋葬
- 納骨堂:ロッカー式などで個別に管理する方法
- 樹木荘:墓石の代わりに樹木の下に埋葬する方法(合祀型、個別型)
- 海洋散骨:粉末状にした遺骨を海に撒く方法
- 宇宙葬:遺骨をロケットで宇宙へ打ち上げるロマン溢れる方法
など
冒頭でも紹介しましたが、今ではAI故人追悼サービスやメタバース霊園などデジタルで供養する方法も出てきています。そしてそもそものお墓やお骨、位牌などを必要としないゼロ葬という方法も増えてきているようです。

時代によって供養の方法は変わってくんだね

ここまで変わると驚きますね
相場

実際にお墓の管理をお寺や霊園に依頼するとして、相場はいくらかかるのでしょうか。
位牌、お墓、遺骨の管理の全行程でかかる費用をまとめました。
- 閉眼供養(魂抜き):お坊さんを呼んでお経を読んでもらうためのお布施のようなもの
→3~5万 - 墓石の撤去費用
→(1㎡あたり約10万円~)だいたい30万~60万くらい。大きさによる。 - 改葬許可などの手続き費用
→個人でも1000円から3000円で可能。手続きが複雑で時間と労力がかかるため、専門家に頼むなら3~5万。 - お骨の出骨、式典準備、分骨、移送
→20万~100万 - 永代供養で合祀などお寺に申し込んだ場合
→10万~100万
以上が手順ごとにかかる費用の相場です。
合計で60万~300万ほどです。
基本的に一括で支払うのみで毎年の管理費などはありません。ただし、個別で管理を依頼した場合など特別なやり方を選択した場合は年間の費用が発生することもあります。

ずっと自分たちで管理すると毎年数万円だから高く感じちゃうけど。

一括で一生プロに管理してくれるのなら、僕は安いと思うなぁ
先祖の気持ち
「目に見えない先祖の方々は怒っていないのか?」
「先祖代々の伝統を汚すとバチが当たるのでは?」
実際に墓じまいの話題を親族とするときに心配されるのは「先祖の気持ち」です。こればかりは目に見えないため判断が難しく、宗教もからんでくるとより複雑になってきます。
あくまで参考までに私の価値観とあっている2つのYouTubeチャンネルの内容から要約してまとめました。死後の世界、亡くなった人たちはどう存在して何を感じているのか?墓じまいをどう思うのか?
彩咲ちゃんねる【満作乃宿リシ縁】
- 樹木葬は樹木に魂がからめとられ、成仏できず複数の魂が混ざりあって団子状になって苦しんでいるのであまりおすすめしない。
- 精霊術を使って結界を張った環境ならそのリスクはなくなる。
- 海洋散骨は、亡くなった方が海でさまよってしまう可能性もある。
- 墓もしくはお骨は、亡くなった人が現世に戻ってくるときの目印。
- ほとんどの方は成仏して転生している。
- もしくは飽きて戻ってこない。孫とか見たいとか、頑固にお墓文化を信仰している場合はずっと戻ってくるかも。
沖縄霊能者ユタ片山鶴子たづこチャンネル
- 先祖は墓じまいについて怒らない。
- 墓じまいを考えるのは悪いことではない。
- 中途半端に放置しないという気持ちが大事です。
- 生きてる人ががんばって幸せであることを望んでいる。
- 自分たちの子孫、がんばって生きていきなさい
- むりしなくていいんだ
- 形に縛られなくていいんだ
- 墓じまいするときも、愛で見守ってくれているご先祖様に感謝です。
- 1人で背負わないで、家族のみんなと話し合う
- 自分を責めないでください。
- 私たちの人生はご先祖様を守るための人生ではないんです。本当に大切なことはこの人生をまっとうすることです。
前世が特攻隊員だったジョーくん
こちらもあくまで参考にですが前世が特攻隊の時の記憶をもつジョー君の話です。彼は前世の自分のお墓参りをした際に「お墓を建ててくれたことには感謝しているが、私はもうお墓にはいません」と言っていました。
少し前に流行った曲「千の風になって」の歌詞の中に「そこに私は居ません。眠ってなんかいません。」という部分があるのですが、まさにその歌詞の通りなのかもしれないと感じました。
何度も言いますが、あくまで私の価値観と近しい例をあげています。絶対ではないので参考程度です。
もちろん、宗教によって死後の世界や魂、供養の仕方は多くあります。
否定するつもりはありません。
死後の世界は死んでみないと分からないです。もしかすると、別の星で宇宙人として転生するかもしれません。
情報の判断が難しいので複数人の話を聞いて、共通事項をみつけていく方法をとるしかありません。セカンドオピニオンは医療でも大事ですが、いろんな場面で重要な考え方です。

嘘を見抜くなんて無理だよー

だからこそ複数の人の意見を聞いてみるといいよね。最低でも
2人かな。
注意点

お墓の管理の話し合いは非常にデリケートな話になります。トラブルも多く発生しやすい話題ですので注意が必要です。
- 絶対に独断即決はダメ
- 必ず親族全員と話し合い、決めること。
- 自分を責めない
- 相場をしっかり把握する
- 1人で抱え込まない。心理的にもお金的にも。
宗教の問題もありますので、十分に話し合いをすることが大事です。
経済の負担の問題があるので、無理せず負担の厳しさを伝えて、それでも宗教や思想の対立がある場合は経済的負担を減らすことに集中して解決することをお勧めします。
冷たい言い方かもしれませんが、管理したい人に責任をもってもらうことも解決策のひとつです。
しっかり経済的な負担を伝えることが大事かと思います。

みんな意見が違うと話がなかなかまとまらないよね

話した内容は紙でまとめたり、第三者に間に入って貰って
冷静に話せる環境づくりも大事だね
まとめ
墓じまいとは言ってもいろんなやり方があります。そして現在、墓じまいをする人が急激に増えて設備や制度が間に合わず墓じまいできないケースも出てきています。焦らずとも急ぐ必要はありそうです。
親族との話し合いは必須です。後から話を聞いていないと言ったり、宗教がからんできたりと問題が発生し縁が切れるケースもあります。
「先祖の墓を捨てるのか」や「罰当たり」「感謝が足りない」などと反対するが、管理は手伝わずお金も出さない人も居ます。
こういったお金や手続き以外にも親族との意思疎通が重要となるため、話し合いには特に時間をかけることが必要でしょう。
歴史を見ても日本は古墳文化つまり土葬から始まり火葬と変化してきましたが「お墓」という文化はどれも高貴な身分の方の風習でした。
江戸時代から庶民も墓を持つ風習ができましたが、現在の墓石を建てるスタイルは高度経済成長期以降に相続税対策で仏壇やお墓の購入が増えたからという社会背景があります。
お墓は結構最近のスタイルです。そう考えると、弔い方は時代によってどんどん変化していることが分かります。
ご先祖様を大切にする気持ちも大事ですが、そのために経済的に疲弊して苦しんでいる姿をご先祖様は喜ばないでしょう。
まずは経済的な負担、それから管理にかかる手間をよく考えていただいて決めること。それを1人で決断せず周りとよく話し合っておくことが大事です。

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